後輩に出させるのはみっともない?
コロナ禍においては、会社帰り(アフター5)に飲み会に行く機会もほとんどないと思いますが、それでも意見交換や懇親を深める場としての飲み会は重要な機会でもあります。
楽しい会も後半に近づき、店員さんが明細を持ってきました。皆さんはどういう行動を取られますか?
- 率先してその明細を引き受ける
- その場で人数割しちゃう
- 店員さんの姿が見えたら、敢えてトイレに立って少しの間帰ってこない
メンツにもよると思いますが、大体その会の年長者(一番上の役席者)が明細を引き受ける場合が多いと思います。3番目の対応は、ちょっとダサいですね・・・
私が年長者としてその会に参加していた場合は、100%、全て支払いをしていました。もちろん、経費を切ったことも数回ありますが殆どがポケットマネーです。
何故そんな行動をしたのか?
- 自分も今まで先輩達にそうしてご馳走してもらってきた
- 自分がその歴史を受け継いでいくべきだ
- 後輩に出させるなんて、みっともない
そう思い、自分が支払ってきました。でも、それって本当に必要だったのことなのでしょうか?後輩にお金を出させることは、みっともないことなのでしょうか?
何で奢っちゃうの?
先輩から受けてきたから自分がそれを後輩にするのも当然だという考え方もあります。私も先輩から、「後輩が出来たらお前もそうすれば良い」と言われてきたクチです。おそらく、同じようなことを言われた方も多いのではないでしょうか?
奢られるということは、自分は得をしています。それを誰かに返さないと、マル得です。相撲取りでいう、「ごっつぁんです」ですね。だから後輩に奢るべき・・・という考え方も、冷静に考えれば変な話です。だって、
奢られた回数≠奢る回数
ではないケースが殆どだから。
奢られた回数を数えている方もいないと思いますが、「自分がこれだけ奢られたから、後輩にも同回数だけ奢ろう!」っていう方はまずいません。
自分の方が奢る回数が多ければ、その分だけ自分は金銭的な損をしていることになります。なのになぜ後輩に奢るのか?それはきっと、
自己満足
なんですよね。
後輩に奢っている俺、後輩にお金を出させない俺、かっこい~って感じです。
自己満足のために、頑張って稼いだお金を後輩に貢ぐわけです。私はそれを、社会人時代に延々とやってきました。
今考えてみれば、本当にバカらしいと思います。そのお金を投資に廻しておけば、きっと今頃・・・なんて捕らぬ狸の皮算用をしてしまったりします。
初めが肝心
飲みに行くメンツって、だいたい固まっているケースが多いと思います。複数人であることもあれば、2人きりということもありますが、支払いをする方ってだいたい決まっていませんか?
不思議なもので、奢る方も奢られる方も、以前の対応を同じように繰り返してしまいます。「ここは俺が出さなきゃ」や「前も奢ってくれてるし、〇〇さんが出してくれるだろう」って心の中で思ってしまうんですよね。
そんなことが数回続いてしまうと、もう抜け出せません。特に奢る方は。「俺が出さなきゃ、出さなきゃ」という、強迫観念に似たような感覚も芽生えてきます。私がそうでした。後輩たちは、「ご馳走様ですっ」と言ってはくれますが、それで終わりです。肩を揉んだり、腰を揉んだりといった、何か私のためにしてくれるわけではありません、そんなの当たり前ですよね。
ですので、会の初めが肝心です。初めから割り勘にするなり、配分を決めておくなりした方が絶対に良いです、お互いのためにも。もし、既に複数回飲みに行っているような関係であれば、それこそ飲み始める前に伝えておくべきです。「悪いけど、今日から割り勘にしたい(もしくは配分を決めたい)」
奢られる方も、毎回毎回悪いなと思いつつ、出してくれるし「まっ、いっかぁ」くらいにしか思っていませんからね。飲み始める前にそう言われれば、気構えも出来るし、それで関係性が壊れるようなことはまずありません。(もしそんなことで関係性が壊れるようであれば、よほど薄っぺらい関係だと思う)
スマートな支払い
とは言え、1円単位で割り勘にするのも考えモノ。
私がご一緒させていただいて、スマートだなと感じたのは、6人で行った飲み会でのことでした。その当時の課長と部下で行った飲み会でしたが、勘定の際に、
と言って、1万円を差し出しました。たしか3万円近かった支払でしたが、残りを人数割りすれば課長の方が倍近く支払いをしたことになります。
と思った記憶があります。
全部奢るとなると3万円、でも上のケースであれば1万円で済みます。そして他の職員の倍以上払っているので、セコさも感じられない。差額の2万円は自分の好きなように使えます。
こんな支払い方もあるんですよね、役付きの方であっても。
会社だけの、関係なんだよ
飲み会だけではなく、ランチも一緒に行けば必ず支払いをしていた私が言うのもなんですが、自己満足のために奢ってきても、結局は会社だけで繋がっている関係、なんですね。
例えば私がケガをして入院をしても、世話まではしてくれません。見舞いには着てくれるかもしれませんが、洗濯など本当にして欲しいことはしてくれません。私のように、会社を離れてしまえば、おそらく見舞いにも来ないんじゃないかな・・・
家族ではないので、当たり前なんですが、所詮その程度なんです。そこに貴重なお金を使うのは、冷静に考えれば無駄なこと。
もし、後輩や部下のために貴重なお金をせっせと使っているようであれば、見直す機会を見出して欲しいなと思います。
私自身が行ってきたからこそ、声を大にして伝えたいです。そのお金は、捨て金ですから。
それではっ。
25年の会社員生活を送り、独立した筆者が送る、会社員の道しるべ。
自身も会社員として様々な悩みを経験してきたからこその、説得力ある?指南書です。
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