健康管理のススメ
住宅ローンと健康管理、今一つ結び付かないでしょうか?住宅ローンは車のローンや教育ローンと異なり、30年程度の長い返済期間を伴うローンになります。病気などをして働けなくなってしまった場合、当然収入が無くなってしまいますので返済が滞ってしまうリスクがあります。
もちろん、家族も困ってしまいますよね。病気をすればそれなりに医療費も掛かりますし、住宅ローンの返済が滞ってしまえば最悪の場合、家を手放さなくてはなりません。
でも、ここでお伝えしたいのは、住宅ローンの借入れを検討し始めたら、今まで以上にご自分の健康に気を付けなくてはいけない、ということです。
住宅ローンを借入れする際、「あなたは健康ですか?」と聞かれます。必ずです。より具体的に言うと、生命保険に入らされるんですね。
ですので、住宅ローンを借入れする際、健康でないと判断されるとその生命保険に加入できなくなり、住宅ローンの借入れが出来ない可能性がかなり高くなります。
返済期間は長いから・・・
先ほどもお伝えしましたが、住宅ローンの返済期間というのは長期になります。30年~35年が一般的でしょうか。
その期間、ずっと健康体で働ける自信はありますか?どんなに健康管理に気を付けていても、「間違いなく俺は働ける」という人は、おそらく一人もいないはずです。なぜなら、未来のことは誰しもが分からないのですから。
住宅ローンの借入れ時に35歳で返済期間を35年とした場合、返済し終える(完済する)年齢は70歳になります。となると、パッと思い浮かぶだけでも下記のリスクがあります。
- 病気になるリスク
- 事故にあうリスク
- リストラにあうリスク
- 勤務先が破綻するリスク
リスクを回避するために
金融機関はリスクを嫌います。そのリスクを取り除くために、保証人※を付保するわけなんですね。保証人(保証会社)を付けない住宅ローンというのは無いと思って間違えないでしょう。イレギュラーケースはありますが、稀です。
※申込人が返済できなくなった場合に代わりに返済をしてくれる人。現在は個人ではなく、保証会社が法人として保証人になるケースが殆ど。
保証人となる保証会社は、様々な資料を用いて申込人の属性(年齢や家族構成、勤務先や年収、既存の借入状況など)を判断(=審査をする)し、その申込人の保証人になるか否かを判断します。
また、保証会社としても「申込人が病気に掛かったり事故にあったりするというリスクはなるべく避けたい」という本音があります。なぜなら、申込人が病気や事故等で亡くなって返済が滞った場合、その方の代わりにその時点の残りの住宅ローンの額(=残債)を一括で返済しなくてはいけませんからね。
そこで、生命保険の必要性が生まれます。仮に申込人が亡くなった場合、保証人である保証会社は残債を全額返済しますが、生命保険に加入していれば保険金が出るため、保証会社はその保険金を回収することで損をしないんです。
住宅ローンを借入れする際に加入する生命保険を団体信用生命保険(=団信と略していう場合が多い)と言いますが、団体信用生命保険に加入できることが保証会社の審査を通る前提条件になります。保証会社の審査が通らないと、金融機関から住宅ローンを借り入れることはまずできないので、団体信用生命保険が加入できないことが分かった時点で、住宅ローンの借入れは難しいとなってしまいます。
ですので、団体信用生命保険に加入できるか否かというのはとても重要なんです。そしてこの団体信用生命保険に入る際のチェック項目が、
あなたは健康ですか?
という質問事項になります。
健康診断を受けるタイミングの重要性
団体信用生命保険のチェック項目は、各保険会社によって異なりますが、概ね下記の通りです。
(1)最近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?
(2)過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?
- 狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病
- 脳卒中(脳出血・脳梗塞・くま膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気
- 精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
- ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病
- 肝炎、肝硬変、肝機能障害
- 腎炎、ネフローゼ、腎不全
- 緑内障、網膜の病気、角膜の病気
- ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
- 糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病
- 子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫
(3)手・足の欠損または機能に障害がありますか?または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか?
(団体信用生命保険の告知事項の一例)
ここで気を付けなくてはいけないのが、”(1)最近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?”という項目です。
多くの方は1年に1度、健康診断を受けられていると思いますが、住宅ローンの申込みのタイミングによって、何かしらの指摘があった場合、この項目に当てはまってしまう、ことになります。
お恥ずかしい話ですが、私は住宅ローンの申込みをしたタイミングと人間ドックの結果を受けたタイミングがほぼ同時期になり、団体信用生命保険が通らなかったことがありました。人間ドックの指摘事項は、脂肪肝と尿酸値の2点だけだったにも関わらずです。まあ、ただの飲み過ぎなんですが・・・
そのため、人間ドックの結果が出てから3ヶ月を超えるのを待って、最初に申込んだ金融機関とは別の金融機関に申込みをした経験があります。最初の金融機関は当時の給与振込口座にしていましたが、それも変更せざるを得ない状況になりました。
スケジュールを立てて計画的に
私のような事例もあるので、住宅ローンの検討を始めたら、団体信用生命保険の加入審査も視野に入れて、申込むタイミングを検討することをおススメします。
虚偽の申請をすると、いざ生命保険が払われる際に虚偽申請がバレてしまい、保険金が払われないというケースも起こり得るため、絶対にやめましょう。(私が保証会社に在籍していた時も、このケースが2件ほどありました。間違いなく揉めますので、絶対にやめましょう)
団体信用生命保険は、基本的にはお亡くなりになった際に保険金が下りるものですが、
- ガンになってしまった
- リストラされてしまった
- 何かしらの理由で働けなくなってしまった
といった場合に保険金が下りる”特約”を付保することも可能なケースがあります。
そのため、住宅ローンの申込み金融機関を選択する際に、ご自分のご意向に合った団体信用生命保険を取り扱っている金融機関を選ばれるのも一つの判断基準になります。
保険は「転ばぬ先の杖」のようなもの。
ご自分の生活にも直結するため、慎重に選択してください。そして、日々の健康管理を気を付けましょうね。
それではっ。
25年の会社員生活を送り、独立した筆者が送る、会社員の道しるべ。
自身も会社員として様々な悩みを経験してきたからこその、説得力ある?指南書です。
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